なぜ読もうと思ったか
絵画がわかるようになりたいので。
どのような本か
有名な作品を例に、構図という観点で絵画を解説している。点や線の構図、形や光、色に至るまで、構図によって生まれる効果についてなど。
書評というか感想
面白かった。
まず有名な絵画を例に挙げて解説しているのでシンプルに勉強になった。内容自体も結構面白くて、例えば帯にムンクの「叫び」についての簡単な説明があるが、こんな感じで形や色などが生み出す効果について述べられている。三角形だと安定して見えるとか、垂直線は重力を際立たせ全体のバランスを取るとか。興味深い内容が多い。
一方、絵画や美術の専門書という感じではないし、これって本当にそんな効果あるのかな?著者の個人的な見解では?と思うような部分も随所に見受けられる。とはいえ自分も専門知識は皆無なのでその正当性を判断できる能力はないのだけれども…。ちゃんと絵画を学んでいる人が読んだらどう思うのかはちょっと気になるところ。
また、最後の方は完全に脱線していて、人体についての解説とか仏像の話、釈迦の一生などにまあまあの紙面が割かれている。絵画の構図とほぼ関係なくなっちゃった!と澤部にツッコまれそうなそうな勢い。まあ、美術・アートに関するアレコレを書いている本だと思って読めば非常に良い本だと思う。僕はアートを勉強するために読んでいるので、いろいろ参考になって良かった。同じような人には結構オススメ。
タイトルから絵画の専門書だと期待して読むとガッカリするかもしれない。