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遠回りこそが最短の道

芸術闘争論 を読んだ

芸術闘争論 (幻冬舎文庫)

芸術闘争論 (幻冬舎文庫)

  • 作者:村上 隆
  • 発売日: 2018/12/06
  • メディア: 文庫

なぜ読もうと思ったか

これまた奥さんのススメで。村上隆とはどういう人物か、現代美術とは何なのか、現代美術の作品をどのように理解すればいいのかが学べるということで。

どのような本か

日本の現代美術においてもっとも有名かつ最重要人物の一人であるところの村上隆の著作であり、現代美術とは一体何なのか、現代美術の歴史、現代美術における今の日本の立ち位置、現代美術のアーティストになるにはどうすればいいのか、そして著者自身がどういう風に考え、行動してきたのか等が書かれているアツい本。

書評というか感想

現代美術というものは複雑なコンテキストの上に成り立っていて、複雑なルールと環境があり、それらをちゃんと学んで理解しないと作品が成り立たない。しかし今の日本の美術界でこれが分かっている人がほとんどいない。だから俺が教えてやる。的な本。とても良いです。

確かに現代美術作品を見てもどうやって理解すればいいのか途方に暮れるレベルでワケワカラン状態になることが多く、こんなのみんなどうやって鑑賞してんだろうなあくらいに思っていたのだが、何冊か本を読んでいく上で少しずつ歴史やコンテキスト、そしてルールがわかり始めた気がする。いやまだ全然なんですが。

村上隆レベルのアーティストでもこうやって歴史を勉強し、コンテキストを理解し、ルールに則った上で戦略的に作品を作っているのだというのは驚きだった。もっと「俺はこれが伝えたいんだ!これが俺の芸術じゃ!オラァ!」みたいな感じで作ってるのかと思った。全然違った。アート、奥が深い。深すぎる…。

あとは日本のアート界とか教育機関をぶった斬りまくってて面白かった。説得力もある。決して文章が上手いという感じではないけど、この人の熱量がガンガン伝わってきてよかった。他の著作も読んでみたい。

しかし、アートのこの勉強して知識をつけると少しずつ理解できるようになっていく感じ、思っていたより理系っぽいというか、コンピュータサイエンスに近しいものすら感じる今日この頃。いろんな分野を学ぶのも面白いなあ。