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遠回りこそが最短の道

「Javaによる高速Webアプリケーション開発のためのSpring Boot入門」を読んだ

タイトル

Javaによる高速Webアプリケーション開発のためのSpring Boot入門

なぜ読もうと思ったか

Spring Bootの新しい本が出るという噂を聞いた。正直、最近Webアプリケーションフレームワークの書籍はほとんど読んでいない。リリースのサイクルが早いし、公式ドキュメントも充実している傾向にあるし、大抵OSSなのでソースを読むこともできる。のだけれども、Springは大きなプロジェクトで複雑だし、そもそもJavaがよく分かっていないというのもあり、一冊本を読んでみるのもいいかなと兼ねてから思っていた。そんな折に新刊が出ると知り読むことにした。フレームワークの書籍であっても、発売してすぐに読めば比較的新しいバージョンに対応した情報を仕入れることができるので良いかなと思った。

書評 / 感想

一言で言うと

内容薄いけどいい本。でもやっぱりちょっと内容薄くない?

本の内容

はじめにSpring Bootの概要やなぜ注目されているのかの解説、それからプロジェクト構造や主要なアノテーションの説明があり、そこから先はちょっとしたWebアプリを作ってみるという内容で、主にSpring MVC, Spring Data, Spring Securityを使用したサンプルコードを紹介。Springの各機能そのものの解説は少なく、基本は公式を読めというスタイル。最後にAuto-configurationの仕組みについての解説がある。

雑感

フレームワークの解説本としてとても良い構成だと思った。

極端な話、機能についての説明は公式ドキュメントあるいはソースコードを見るのが確実なので、本書のように「なぜ、どのような時にこのフレームワークを使うべきか」「こういうシステムを作りたいときはこのモジュールとこのモジュールを使えば良いというカタログとサンプルコード」「直接使うことの少ない裏側の機能の解説」が書いてあると個人的には嬉しい。各機能の詳細は公式を見てください、という作りは潔いと感じた。ここが物足りない(各機能の詳細をもっと解説してほしい)と感じる方にとってはショボい本という感想になるのかもしれない。

というわけで自分にとっては役に立つ本だった。…のだが、とはいえさすがにちょっと内容が薄いのではないかと思ってしまった。いや、無駄に分厚い本よりはよっぽどいいのだが、この内容ならせめて定価1000円以下くらいにしてほしかったな…というのが正直なところである。まあ得るものはあったからいいのだけれども。

ある程度Java(によるWeb開発)やSpringの経験がある他人にはちょっとオススメしづらい。JavaもSpringも経験が浅く、これからSpring Bootを使って開発をしようという人には結構オススメできる。ただしちゃんと公式も併せて読める人に限る、あるいは公式を併せて読むという習慣を身につけるためにこの本を読むという逆転の発想もありかもしれない。